2010年12月25日

「唐津焼新作家の今」展…「使うやきもの」の目線で見る

先週、12月19日まで銀座の香蘭社ショールームで行われていた
「唐津焼新作家の今」展に出掛けました。

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佐賀大学が取り組んでいる
◆「ひと・もの作り唐津」プロジェクトの一環として、30代を中心とした
若い唐津の作り手たちのやきものを紹介する展示です。 このプロジェクトは、大学と市が協定を結び、やきもの産地である唐津の
地域活性、人材育成などを目的として様々な活動を行っているものとのことですが、
近年、有田も唐津も、窯業全体が物を売るには厳しい状況が続いているなか、何を
作り、どう発信していくのか、模索しつつも動いていこうという試みを続けていて、
今回の東京での発表も、そうした活動のひとつのようです。


参加されていたのは、プロジェクトで研修を受けた作り手の方々で、
・井上公之:鏡山窯  ・梶原妙子:飯洞甕窯
・小杉隆治:小杉窯  ・坂田勝利:陶申窯
・竹花正弘:浪瀬窯  ・戸川武士
・福田和祐:王天家窯 ・矢野直人:殿山窯
といった方たちのやきものが展示、販売されていました。

魚の形をした置き物(オブジェでは決してない、)などもありましたが、ここに出て
いたものは、鑑賞して感動するためのものではなく、手にとって選んで、使って楽しむ
ためのものです。
 東京でも作家の個展やグループ展は毎日行われてはいますが、こうした産地の良い
器を揃えて吟味出来る場というのは、あまりないなぁ、と、かなりじっくり自分使いに
する目線で選ばせてもらいました。
…というのは、日ごろ色々見ている感覚からすると、真面目にしっかり出来ている物が、
かなり良心的なお値段で出ていたように思います!

 そうした見方をする場合それがどなたの作なのかはあまり問題にならず、あくまで
形や模様や、土の感じや(そして値段や)で選ぶことになります。でも、そういうのが
健康な器の選び方だろうな、とも思ったり。
 逆に目線はかなりシビアになるので、購入にいたるものと、そうではないものがはっ
きりと分かれます。気に行った物を手にとって、作った方のプロフィールを聞くと、
登り窯をご自身でコツコツ作っていたり、手掘りで土取りに行っていたり、物づくりに
対して丁寧に取り組んでいる方たちなのが、うかがわれます。
 結局、物を選ぶということは、その後ろの作り手まで見ることになるものなのかも
しれません。


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 プロジェクトでは土や釉薬など生産のことばかりではなく、料理や盛り付け、それに合う
形についてなど、器をとりまく文化全体について学んでいらっしゃるそうです。
使う側が何を求め、何にお金を払うのか、生産地と消費地の距離を埋めるのは難しいこと
ですが、これからもぜひ続けていって欲しいと、応援したくなる展示でした。(高)





posted by 智美術館 at 14:55 | TrackBack(0) | 個展・展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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