2011年02月23日

詩情あふれる世界を味わう―藤平伸先生の個展


 京都の陶芸家・藤平伸先生の個展が、今月の27日まで、銀座で開催されています。

「藤平伸の芸術展」
2011年2月17日(木)〜2月27日(日)
銀座一穂堂サロン
東京都中央区銀座1-8-17 伊勢伊ビル3F
OPEN 11:00-19:00
http://www.planup.co.jp


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 普段、個展のことは会期後になってしまうことが多いのですが、東京で藤平先生の作品を
まとまって拝見することができる貴重な機会ですので、間に合ううちにダッシュ(走り出すさま)ご紹介させていただきます。
2004年、当館とパラミタミュージアムで個々に展覧会がありましたが、今回の個展はそれ以来の、
まとまった展示とのことです。

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 会場の一穂堂ギャラリーさんは、過去にも藤平先生のガラス絵展など、個展を開催してきた
ところで、銀座のポーラ・ミュージアム・アネックスの向かい側にあります。
 
 画廊に入ると、白を基調とした明るいモダンな空間ながら、畳敷きの床も供えた落ち着いた
雰囲気の画廊全体に、小さな可愛らしい水滴や花生、茶碗などの器、誕生仏や少年像などが並び、
藤平先生独特の世界が広がっていました。
 画廊の方に話をお聞きしたところ、今回個展に出ているのは、藤平先生が御高齢なこともあり、
少し前の作品から近作と、作りためたていたものを展示されているとのことで、大きな作品や
新作はありませんでしたが、それでも、点数も内容も充実しており、作家が培ってきた、詩情の
世界をじっくりと味わうことが出来ました。

 智美術館での展覧会では、会場が暗いなかにスポットで作品を照らすつくりだったため、
作品のもつ物哀しさや、孤高の存在感、といったものが強調された感もあったのですが、ここでは
暖かい色調の空間に置かれていたため、また違った見え方をしているようです。
 上の「雪のあした」のシリーズも、背景の白と、作品の柔らかい感じの白釉がうまく調和して、
凛とした空気をまとっていました。

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《梟の少年》

 藤平先生の作品は、小さな足のついた水滴の丸みや、陶彫の繊細な表情など、細部にも魅力が
つまっているので、それも写真でご紹介したかったのですが、少し離れた場所から空間全体を
撮らないと写らない空気もあり、難しい物たちです。どんな物でもそれを置いた場所に作用して、
周りに「藤平伸の世界」が見えてくる、それが先生の作品の一番の魅力なのかと、思います。

 会場には、普段あまり拝見する機会のないガラス絵の大きい作品もありました。
お時間がありましたら、ぜひ足を運んで、実物を体験してみていただきたい展覧会です。(高)

posted by 智美術館 at 14:50 | TrackBack(0) | 個展・展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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