2011年05月07日

伊藤正さんの個展(ご報告)

こちらのブログに掲載するタイミングを外し、しばらく経って
しまいましたが、先月東銀座の画廊で、花巻の伊藤正さんの
個展が開かれました。

image_TIto.jpg

伊藤正個展
2011年4月4〜15日
ギャルリープス
Galerie Pousse

 当館の茶陶展にこれまで2度お願いをしている伊藤先生ですが、
その間にもお住まいの地域が何度か地震にみまわれることがあり、ニュース
で聞くたびに大丈夫でいらっしゃるのか、気にかかることがありました。
今回の震災でも、心配をしていたところ、しばらくして個展のお知らせをいただき、
本当に安堵しました。
 このブログにも、伊藤先生の情報を求めてのアクセスがありますので、
ご報告させていただきます。

 プスの個展では、震災前に完成していた作品を展示してらっしゃいました。
 11日はかなり揺れたそうですが、幸いお住まいも工房も大きな被害はなく健在で、
これからも作陶は続けられる環境とのことでした。
 ただ、地震後のライフラインの復旧など、大変な状況だったのは事実で、本当は
個展前にもう一度焚きたかった窯も、余震の頻発や、燃料の問題、窯の傷みなどで
出来なかったそうです。窯はもう一度組み直しが必要かなとも仰っていたので、
やはり何もなかった、ということではないようでした。

 展示期間の段階ではまだ新幹線が開通しておらず、混雑する夜行バスで、東京まで
いらっしゃったそうですが、様子やお声はいつもの伊藤先生で、このタイミングで
個展が無事にオープンして、東京の私たちもお顔を拝見して、状況をお伺いでき、
ホッとしたのが、本音です。
展示の点数は、そうした状況もあり予定より少なくなってしまったそうですが、
それぞれが、会場にうまくおさまっていて、ひとつずつを丁寧にみられる空間でした。

会場全体は、伊藤先生独特の、穏やかな存在感をもった作品たちが並ぶ印象ですが、
でも個々の作品を観察してみると、以前と少しずつ、少しずつ、変わっていく部分も
あるようです。


image_TIto2.jpg

一見、前に見た形と同形の作品にみえても、中を覗くと、

image_TIto3.jpg

構造が二重になって、器形の中に、微かに光る世界が見え、想像力が膨らみます。
眺めていると、こちら側の時間もゆっくりとなる、そんな作品でした。

 個展後にいただいた葉書にも、今回の地震にゆらぐことなく、
人と大地をそれぞれ信じて活動される伊藤先生のあたたかく、大きな言葉が
ありました。これからも、ご自身のかたちをご自身のペースで、見せていっていただ
きたいな、と思いました。(高)
posted by 智美術館 at 20:48 | TrackBack(0) | 個展・展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック