2013年01月26日

日本橋三越にて「襲名10周年記念 十四代 今泉今右衛門」展

先日まで、当館での先代と当代(14代)の展覧会をお願いしていた、
九州有田の今泉今右衛門氏の襲名十年を記念する新作展、
「襲名10周年記念 十四代 今泉今右衛門」展が日本橋三越にて
来週、1月29日(火)まで開催されています。

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三越個展のカタログを拝見すると、智美術館での14代襲名から現在までを振り返った
総覧的な作品選択とはまた異なる、当代の新しい面が幾つもうかがわれ、
期待して先日お伺いしました。実際に会場で作品を拝見すると、美術館での展覧会と
別に、これだけの物を創り、発表できるのかという点でまず!!と驚きがあり、創意や
意志が作品から伝わる楽しい、充実した内容でした。
 もちろん、こちらの展覧会の準備や他のものと並行して準備されたものであり
お話によると2年くらいの時間をかけたものの結晶だそうです。
ただ、その期間に淡々と制作するのではなく発表にむけた最後の「追い切り」みたいな
勢いが、創作を盛り上げる(今右衛門さんの言葉は少し違う言い方だったと思います
が、そういった内容でした)ということで、たしかに幾つかの作品には「生まれたて」の
勢いみたいなものがあったように感じます。
土曜日で当日なのですが、本日14時からご本人のギャラリートークも会場で開催
するようなので、そういったお話も聞けるかもしれません。

 個人的な感想としては、当館の展示では陶家を継ぐ作り手としての存在感や
気概のような物を全体から感じたのですが、三越の個展ではそれに加え(或いは
それに増して)、「現役作家」としてのぐんぐん先に進む勢いが表れた作品群だなぁ
と、受け止めました。例えばどの作品というのは写真を出せませんが、同じモチーフ
でも「静的な模様」だったのが、配置や大きさの工夫で見込みからふわっと浮き上が
ってくるような動きが生まれて、意匠全体に柔らかさが生まれていたり、鍋島の従来
の草花文に加え、これまでなかった植物文を多く創出したりetc.。
 また水流を意匠化したという作品は、きっかけをお伺いするとナルホドとなりました
が、フリーハンドのような線描を試みていて、それを今右衛門窯のような体制で試みる
というのは、鍋島の世界に新しい局面が開けるものにも思われました。
当館の展覧会にお運びいただいた方も、ぜひご覧になってください!(高)
posted by 智美術館 at 11:16 | TrackBack(0) | 個展・展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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